酒学

第5回 クリスマスにはシャンパン
 今年もクリスマスがやってきます。 おっちゃんになるとクリスマスだからといってワクワクすることもないのですが、街中のきれいなイルミネーションを見るとバブルだった若い頃を思い出して少なからずときめきを感じます。
 さて、クリスマスのお酒と言えばシャンパンが定番です。コルクを抜くときのポンという響きはパーティーの始まりの合図になり、場を盛り上げるにはもってこいです。 さてこのシャンパンですが、泡の出るワインをみんなシャンパンと思っている方も多いようです。 一般的に泡の出るワインをスパークリングワインと言いますが、このシャンパンはフランスのシャンパーニュー地方で作られるスパークリングワインのことで、シャンパーニューとい名前でAOC(※)になっていて、 フランスの法律でその製法から使用する品種など、厳格に決められています。 したがって、他の地域で作られたスパークリングワインをシャンパンとして売ることはできず、売ると法律で罰せられます。
 さてこの泡の出るワイン、どのように作られるかと言いますと、何通りかの方法はあるのですがシャンパンを例にとりますと、まずブドウから普通にワインを作ります。 次に瓶詰めするのですが、その際にショ糖(糖分)と酵母を加えキャップをします。 すると瓶の中で酵母が糖分を分解してアルコールと二酸化炭素が発生します(これを瓶内2次発酵といいます)。 瓶の中には酵母の死骸である澱(オリと読みます、白いペースト状の物)が発生しますが、これが瓶に付着しないように定期的に瓶を回しながら澱を瓶の先端に集めます。 これを特殊な方法で澱だけを抜き取り、減った分にリキュールを足して、コルクで抜栓して炭酸入りのワインの完成です。
 シャンパンの場合、使用する品種は決まっており黒ブドウはピノ・ノワールとムニエ、白ブドウはシャルドネです。
(ブレンドはOK)、それ以外の品種は使えません。また瓶内2次発酵の期間も最低15カ月、上級の物は32カ月以上となっていて、手間と時間がかかっています。
その手間とブランドイメージも付加して価格は他のスパークリングワインと比べて1段も2段も高くなります。
 さて、高級シャンパンと言えばドンペリが有名ですが、このドンペリの由来ですが中世のドン・ペリニヨンという修道士の名前から付けられています。 この人が初めてシャンパン(スパークリングワイン)を作った人と言われています。 さてこのシャンパンの起源ですが、諸説いろいろありますが、失敗作から偶然できたとも言われています。 シャンパンができる前、普通のワインでも少量の炭酸が残ってしまうワインが出来てしまうことがありましたが、それは良くないワインとされていました。 当時ワイン作りの名人であった修道士のドン・ペリニヨンが、長い間瓶のまま放置していたワインを開けたとこと、炭酸が通常より多く入っていて、 不良品と思いましたが飲んでみると思いのほか口当たりがよくておいしかった。 その評判を聞きつけた当時の王様が、このワインを取り寄せたところ、王妃がことのほか気に入り、パーティーの席で用いられるようになり貴族階級でもてはやされるようになったとのことです。
 ところでシャンパンの価格は、だいたい5000円から高級シャンパンのン万円くらいしますが、もうちょっと安く、カジュアルにスパークリングワインを楽しみたいという方にお勧めなのが、スペインのカバです。
 品種、熟成期間は異なりますが、製法はシャンパンと同じ瓶内熟成方式で、価格はリーズナブルでコスパに優れたスパークリングワインです。
 その他イタリアのアスティスプマンテ、フランチャコルタなども有名で、日本をはじめ世界中でスパークリングワインは作られています。
 泡の出るお酒はビールが定番ですが、今年は優雅にスパークリングワインで乾杯などもいかがですか。

※AOC 原産地呼称統制ワイン。生産地・ぶどう品種・栽培法・醸造法・アルコール度数などが、厳しく制限されており、フランス政府がブランドとして認定していしているワイン。
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