酒学

第4回 ボジョレー・ヌーヴォー
 本格的に秋も深まり、日本酒やワインの原料である米やブドウも実りの秋を迎えています。 一般的に日本酒の場合は秋に収穫したお米を、冬の寒い時期に仕込み(寒仕込みといいます)できたものをしばらく熟成して6月か7月頃出荷するのが一般的です。 日本酒の場合はワインやウイスキーのようにいわゆる年代ものといった価値観は、あまり無く、よりフレッシュな状態のほうが好まれます。
 ワインは秋に収穫したブドウを収穫してすぐに仕込みをします。ワインには赤ワインと白ワインがありますが、これはブドウの種類によるものです。 ワイン用ブドウには黒ブドウと白ブドウ(代表的なのは黒ではカベルネ・ソーヴィニヨン、白ではシャルドネなど)があり、赤ワインを作る時は黒ブドウから絞った果汁を果皮や種と一緒に仕込みます。 (これを醸しといいます)赤ワインの赤紫色の色素や渋みや苦味などはこの果皮や種から抽出されます。白ワインの場合は一般的に白ブドウの果汁だけを使って仕込みをします。 ですから白ブドウの場合は果汁の甘みや酸が中心で渋みや苦味などはありません。
 ということは、黒ブドウの果汁だけを絞って仕込みをすれば、黒ブドウから白ワインも作ることはできます。 シャンパンで有名なシャンパーニュ地方では黒ブドウのピノノワールやピノムニエから白のシャンパンがたくさん作られています。
 もう一つワインの中にロゼワインというのがあります。日本ではロゼワインというと軽くて甘口というイメージがあるようですが、決してそういうわけではありません。 ロゼワインの作り方としてはいくつかありますが、代表的なものは、赤ワインを作る過程の醸しの途中のワインが淡く色づいた時点で、果皮や種を取り除いて発酵を進める方法(セニエ法)や、 白ブドウと黒ブドウを混ぜて仕込む方法(混醸法)などがあります。ちなみに赤ワインと白ワインを混ぜてロゼワインとして売り出すのは日本では認められていますが、EUのワイン法では禁止されています。
 さて、10月半ばころになると「ボジョレー・ヌーヴォー予約開始」など最近ではコンビニでもやっていますね。 このボジョレー・ヌーヴォーですが、フランスのボジョレー地区というところで作られたワインで、地元の人が秋に収穫したブドウを、 収穫のお祝いに早く飲めるように特別な製法作ってお祝いしようとできた早や飲みワインです。 早や飲みワインにするために特別な製法(マセラシオンカルボニック法)で作られます。この方法で作られたワインは短時間の醸し期間でも鮮やかな色合いや、フレッシュな味わいが作り出されます。
 ボジョレー・ヌーヴォーーですが、フランスのワイン法では発売時期が決められていて、11月の第3木曜日になってからでしか販売できないようになっています。 そのため、日付変更線の関係で日本が先進国で一番最初にボジョレーを販売することができ、また日本人の初物好きも重なって、日本ではボジョレー・ヌーヴォーがこの時期になるともてはやされています。 ちなみにボジョレー・ヌーヴォーの輸入第一位は日本です。また、ボジョレー地区はボジョレー・ヌーヴォーだけを作っているわけではなく、クリュ・ボジョレーといったガメイ種で作った高品質なワインも生産しています。
 ちなみに、ワインの新酒と言えばボジョレー・ヌーヴォーが有名ですが、当然フランス以外の国でも新酒を作って販売しています。
 知られるところではイタリアではヴィーノ・ノヴェッロと呼ばれ解禁日は10月30日、ドイツではデア・ノイエというワインで解禁日は11月1日、オーストリアではホイリゲというワインで解禁日11月11日です。 日本でもワインショップやネット販売で手に入れることができ、いずれもボジョレー・ヌーヴォーよりも早く新酒を飲むことができます。
 いずれも、ライトボディーでタンニンなど渋みも少なく、日本食やカジュアルな食事によく合います。 飲みやすいワインですが、アルコールはビール以上にしっかりありますので、調子に乗ってグイグイいってしまうことがあるので飲みすぎてヘロヘロにならないように注意してください。  
前へ|ボジョレー・ヌーヴォー|次へ